TOV黒夢
TOV黒夢 --07
音の正体はわからない。
自分の体が覚える曖昧な違和感がどこからのものかもわからない。
ただ、女が自分に何か施していることが確かだった。
恐怖に呼吸が詰まる。息苦しい。痛みがないことが更に怖い。
恐ろしい。
死にたくない。
「私は、復讐に来ました。ハローハロー!」
ぜぇぜぇと荒い呼吸をする彼に、彼女は明るい声で告げる。
「死の絶望は遠いいわ。安心して。
苦痛は、死んだ12人分と同じくらいかもね?」
『た…助け、てくれ!ぼ、僕が悪かった!』
「聞こえないわ!よかった〜。聞こえないから!ふふふ!
ほら、これが見えるかな?砂時計!」
女がキュモールの顔の前にちらつかせたのは、彼女の言う通りの砂時計だった。
「貴方に感覚が戻ってくるまでの時間よ。あと…30分くらいかしらね?
見えないだろうから意味ないけど!
折角だからどんな感覚なのか想像させてあげる!
まずは、貴方の首に紐!ベットの上に結びつけてるわ。
ついでに両足首にも紐!ベットの脚に結びつけてるわ。
そして……両手!」
女が言うと同時にキュモールの両手を彼の眼前に引っ張ってきた。
目も背けられないキュモールが見たのは、信じられない光景だった。
指の本数と同じ数の針が、自分の両手の爪をそれぞれ垂直に貫通していたのだ。
針が食い込む割れた爪と皮膚、いずれからも黒い血が滲み溢れている。
それが、感覚が戻ってからどんな激痛をもたらすのか、彼の想像を越えていた。
『た、助けてくれ!頼む、助けてくれ!!』
「好きなだけ叫んでね。思いっきり苦しんでね。
ただ、気を付けて。あんまり暴れたら首が絞まっちゃうから。」
『助け―』
「命は助かるから。よかったね。」
『助けてくれ!!』
「命が助かるから。よかったね。」
『もう二度としない!』
「さあ―あと、20分ぐらいかな?」
言って女は、砂をかなり落としている砂時計をキュモールに見えるようにかざして、そして振った。
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2010/10/27
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