18:復活夢D






 復活夢 --18





私が易々と移動できない距離をひとっ走りで淘汰した瓜さんは、とある部屋の入り口の隙間から中へと侵入した。
ここがどこなのかは全然知りゃしない。どこですかここは?
あまり明るくない部屋の中を進む瓜さんは、ドアのない隣の部屋へと向かって行く。
プリーズ説明!どこに来たの?


グルルルル…


……………聞こえた唸り声に思考が一瞬止まったぞ☆

「く―くぅん?」
瓜さん、どう聞いてもそっちの部屋から警告の声が!?

瓜さんは私をくわえてるんだから当然返答は無理なんだと思うんだけど!けども!だけどね!?

どう聞いたって大型肉食獣系の声が!

私の困惑を他所に、瓜さんは唸り声の聞こえた先へと進んで行く。
そして部屋の奥に見えたそれの印象は、深紅の宝石だった。
いや違う。宝石が浮くわけがない。
薄暗さに目を凝らして見れば宝石はふさふさしているものに囲まれ―って、いやいやいやいや!!

「わっわふっ!ワン!」
何で瓜さんはそちらに近づくんですかちょっとぉ!

私の絶叫なんて歯牙にもかけず、くわえられているんだけど、いや違う、瓜さんは歩みを止めない!
あのタテガミはよく知ってるものだ。
ただ、私が記憶するそれとは毛色が違った。
真っ白だ。
凄く大きな体躯のライオンの全身の毛皮は、薄闇でわかるほど白かった。
…何でそんなタテガミを持つ生物の前に晒されるんだ?
恐怖も忘れて白い王を見上げる私が、彼の前に下ろされた。

「にゃぉう」

そして瓜さんは一言。
意味はわからない。

 ふすんっ

唸り声を止めたライオンは鼻を鳴らした。
どういう意味だ。意思の疎通が完了したのか。
威嚇してくる鋭い眼光が彼の眼差しから失せたところをみると、瓜さんが何かを話したんだろう。
…それで今からどうすればいいのかと瓜さんの方に振り返ったら、瓜さんは私へと頭を近づけてくる。
おぉっと!押すな押すな!
ぎゃあぁ!それ以上押されたらライオンさんの至近距離に!至近距離にぃぃ!!
私の抵抗虚しく、私は白い毛皮へと身を埋めることになった。
ふわふわ…ではなく、結構ごわごわ。獣臭い。
瓜さんの意図がわからないよー…

「なーぉ」

そして瓜さんは一声を発して尻尾を一振り。どういう意味かな?
私が首を傾げているというのに、瓜さんはサッと体の向きを変えて一気に駆け出した。

もしもし!忘れ物ですよ!!

慌てて追いかけようとした私― 

  べしん!

「ぎゃう!」
ぐが!

突如頭上から降ってきた何かに押さえつけられた!
潰れる!潰れるよ!!
強制的に伏せにさせられた私の視界の端で、瓜さんが部屋の外へと飛び出していったのが見えた。
おおお置いていかないで!
押さえつけてきたものは、臭いと触感からしてライオンさんの手だろう。
なんで私が彼に捕まえられなきゃなんないんだ!
って、そうこう言っている間に、ちょいちょいと転がされて彼の傍へと近づけられる。
抵抗は無駄だろうと諦めてされるがままに任せていたら、私はライオンさんの両腕の間、彼の顎の下に入れられた。
そして彼はそのまま眠る体勢になる。


……………どうしろってんだ。













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2010/09/16

 ねこ科の中に犬科一匹


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