16:復活夢D






 復活夢 --16





「それで、何だって飼うつもりになったんだ?」

肩に乗るカメレオンのレオンを指先で撫でていたリボーンに、改めて椅子の背もたれに体重をかけた綱吉が声をかけた。
彼の色濃い琥珀を思わせる瞳を見返して、リボーンは不敵に笑みを深める。
実に楽しそうなそれだが、弟子歴の長い綱吉は嫌な予感しか覚えない。

「だから言っただろ。アイツはイイ女だって。」
「…子犬をなんつー目で見て―」

言葉を終えるより先に、青年は両腕を高く掲げて降伏の姿勢を示した。
素早いその反応に、早撃ちをしようとした少年が舌打ちをする。懐に差し込んだ手をこれ見よがしにゆっくりと引っ張り出して、彼は青年の机に飛び乗った。
獄寺が出ていった扉に視線を向けて足を組み、そして言った。

「利口過ぎるだろ、アイツは。」

確かに「過ぎる」。
妙に知恵がはたらいた口調に、行動。すべてが犬らしくない。

「…脚色無しの通訳だったんなら、そうだよなぁ。」
「オメー、俺を疑ってやがんのか?イイ度胸じゃねーか。」
「疑ってないって!いい加減、その短気な性格治せって!」
「へなちょこディーノとダメツナが前に付くミドルネームを無くせたら考えてやる。」
「呼んでるのはお前等アルコバレーノだけだろ!」
「変わらねぇ事実だからしょーがねぇ。」

結局は性格を直そうなんて思ってない。だからこの言い合いは不毛なのだ。

「……で?」

開きなおって問いかけ直した青年に、少年はため息を吐きながら肩を竦める。
やっぱり、どこか楽しそうな笑みは消えない。

「オレはな、この部屋の前に立った時に、3人分の気配を感じたんだ。」

獄寺と綱吉と…

「二人と一匹じゃなくてか?」
「なくてだ。」
「…お前が犬と人間の気配を間違える訳ないってことだよな…」

一瞬浮かべた訝しげな表情をすぐに消して、リボーンからの言葉に解釈を添える。
あの犬とボンゴレの身内との遭遇も邂逅も偶然でしかないというのに、ここに残ろうとする意思の強さと行動を見せつけた。あの動物は一体なんなのか。
そもそもただの動物なのか。
そうでないのか。

「お前が害がねぇって判断したんだ。好きにしやがれ。」
「…ま、そう言ってもらえんなら好きにさせてもらおうかな。」

言って綱吉はリボーンによってシワをつけられた書類を手に取り、ニッコリと微笑んだ。













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2010/09/16

 新生活の裏口


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