11:復活夢D






 復活夢 --11





十代目のスケジュール調整のデータを幹部連中に送信し終わった直後に、内線のコール音が鳴った。
外部からの接続回線ということに眉をひそめるが、とりあえず回線を開く。

「なんだ?」
『ハヤトさん、南部13支局のルチーアから電話です。
 直接お話ししたいそうですが、お繋ぎしますか?』
「ルチーアが?」
『はい、何でも「預かっている犬のこと」と言っていました。』

一週間前の騒ぎの、日本犬の子犬?
なんだ、ディクスが面倒を見始めたっていうのを3日前に聞いたぞ。

「…分かった、繋いでくれ。」

仕事の丁度いい区切りだと先を促し通話ボタンを押した。

『お忙しいところすみません、ルチーアです。』
「前口上はともかく本題は?
 犬がどうした。病気にでもなったか。」
『医者で済むならありがてぇんですが…どうにも簡単に済みそうになくってですね。』

軽い気持ちで先を促したというのに、ルチーアの声にどこか疲れのようなものが浮かんだのがわかった。
あの犬のことを思い出す限り、そんな問題を起こすようではなかったが。

『無礼を承知で、お願いがありやして。』
「言ってみろ。」
『へい。暇がある時に一度、こっちの事務所においでいただけませんか?』

予想外な頼みに、煙草に火を付けていた手が止まった。

「…お前が珍しいじゃねーか。」
『お叱りも承知で。』
「叱ってる訳じゃねぇ。お前がそう言うなら、説明を聞くよりそっちに行った方がよっぽど手っ取り早いんだろ。」
『流石のお察しで。では、いつ頃に?』
「ついでにテメーは運もいい。たった今俺の手が空いた。
 今から出る。着くのは昼過ぎだ。」
『…貴重なお時間、有難うございます。』
「そう思うなら何かワインでも用意しとくんだな。
 近くに美味いピザの店もあっただろ。それを飯にするから任せるぞ。」
『ハハッ、任されました。お待ちしています。』

通話を切り、煙草を肺の深くまで吸い込んで細く吐き出す。
そして揺れて消える紫煙を目で追いながら上着を片手に立ち上がった。

あの犬とは強引に別れたからあんまり会いたくねーんだけどな…しょうがねぇか。













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2010/01/29

 一週間の戦いの結果。携帯で打ったので短いです。


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