05:復活夢D






 復活夢 --05





おじさんが特徴的な香水を付けていたお陰で、アタッシュケースを追うのは随分楽だった。
まぁそれでも、足は短いわ体力はないわでヒィヒィだったけど。

『…おい、なんだそのちっこいのは?』
『入口の前で拾った。こんなに小さくてうろついたら、野犬に襲われるかもしれねーだろ?』

はぁい、捕まってます。
話しはチンプンカンプンだけど、私が一体何なんだと言いたいのだろう。
そんな推測をしながら金髪で顔にニキビができてる少年に腹を掴みあげられている私は、アタッシュケースをつついていた四人の視線を見つめ返す。
ちなみに今いるのは、廃墟じみた雑居ビルの一室だ。この子達はここを根城にしているみたいです。

『まぁいい、道具は?』
『もちろん。』

相槌を返した少年は私を持ったままアタッシュケース側に歩み寄り、もう片方に持っていた工具箱を彼らに渡した。
はしゃぎながら工具を取り出す赤毛の二人に残りの二人が場所を空けて、その内の金髪の一人は残りのソファーに、黒髪の一人がこちらへと寄ってきた。

『コイツ、本当にまだガキじゃん。母親とかはいなかったのか?』

おー、黒髪君に撫でられた。

『見当たらなかったな…こんな犬種見たことねーし。それよりフルゥ、開きそうかソレ?』
『時間はかかるけど開くさー。ハハッ、何が入ってんだろうなぁ?宝石かな?ユーロかな?』
『軽ぃーからインゴットじゃねーだろー?あのオヤジは金持ってそうだったからよー、パソコンとか?』
『いーじゃん売れるもんなら!』

はー…さっぱりだ。
一体何語デスカ?
会話がまったくわからない私は疎外感をひしひしと感じながら、ちらりと赤毛君達に視線を向ける。彼らは、アタッシュケースの鍵穴に色々と器具を突っ込んでいた。

『その犬も売れるんじゃねー?』
『馬ー鹿。こいつの毛並みを見てみろ。ぜってぇ野良なんかじゃねぇぞ。
 見たことのねぇ犬、しかも子犬なんか売りに出してみろ。すぐに足が付くに決まってら。』
『えー…もったいねぇ…』
『口より手ぇ動かせ。』
『あいよー』

ん〜…さっさと開けろとでも言ったかな?赤毛君の一人が気だるげな返事をしてから会話が止んだ。
黒髪君は一度短く息を吐き、そして部屋の隅に置いていた鞄へと歩いて行く。
そしてそこからペットボトルを取り出し、次に近くにあった棚から小さな小皿を摘まみあげた。
何をするのかと見ていると、黒髪君は皿を軽く服で拭ってそこにペットボトルから水を垂らす。

『ジョアンそいつ降ろせ。…水ぐらい飲むか?』

黒髪君がこっちに振り返って何かを言ってすぐに、ニキビ君は私を降ろしてくれた。
…持っていた水入りのお皿も降ろされている所を見ると、私に水をくれているのか。
なんだ、不良でも動物に優しいなんて可愛いところあんじゃん。
それでも傷害罪は確実なんだけど、貰えるなら有り難くお水を頂きましょう。
若干和みつつ、私は黒髪君の足元へと駆け寄った。












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2010/01/21

 可愛いは正義。携帯で打ったので短いです。


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