後悔先に立たず
祝う心 呪うぞ心
「嫌な予感がする。」
突然立ち止まったは、眉間に深いシワを寄せて断言した。
そんな彼女の様子にパーティーメンバーも首を傾げる。
つられて立ち止まったジェイドは眼鏡を指先で正し、そしてへと呟く。
「・・・唐突ですね。」
「そう、嫌な予感・・・・・・嫌な・・・予感・・・・・・来る!」
そう叫ぶなりは両手ですぐそばにいたジェイドを抱き込み、そのまま押し倒した!
流石のジェイドの思考も止まる。
ドサンッ
どちゃっ
二つの異音が重なった。
「・・・くっ くくくっ―はははははっ!
どーだ! とうとう避けてやったぞ!!」
ジェイドを跨いで上半身を起こしたは高笑いをあげながら勝ち誇る。
彼女が目線で捉えたのは、ついさっきまで彼女が立っていたその場所・・・に落ちている、イチゴと生クリームでゴテゴテに飾られたワンホールのデコレーションケーキだった。
かわいそうなことに、地面との激突で大半が崩れてしまっている。
まぁつまりは・・・がジェイドを巻き込んでその場を離れなかったら、きっと二人ともケーキまみれになっていただろう。
「なっ なんだイキナリ!?」
「まぁ! 昨今の空はこんなものまで降らせますの!?」
「えぇぇぇ!?そんなわけないし!!」
「どこからこんなもんが・・・」
「、大佐!大丈夫ですか!?」
各々が叫ぶ中からティアの二人を心配する声を聞き取り、はへらへらと笑った。
ひどく珍しい快挙だ。
「大丈夫ですよ〜 いや!ホント!私偉い!!
どうですかジェイドさん、恩人に何か言うことはありませんか?」
「・・・・・・・・・そうですねぇ」
上機嫌をそのままにジェイドへと向き直ったに、ジェイドも笑顔を浮かべた。
男女を問わずに見惚れそうな、それはそれは美しい笑顔を。
「今まで乗られることに興味は無かったんですが・・・」
「―は?」
その笑顔に惑わされないは一度、その黒曜石を埋め込んだような瞳を瞬かせた。
「存外、悪くないものですね。」
「へ?」
笑顔のままだったジェイドの右手が、の太腿を思いっきり掴んでそれを揉んだ。
「ひぎゃあぁぁ!!」
色気の欠片もない悲鳴を上げてジェイドの手を振り払ったは、動揺を隠さぬままジェイドから飛びのく。
それと、同時だろう。
どちゃん
降ってきた黒い何かが、の頭を直撃した。
・・・あ、今度はチョコレートケーキのワンホールだ。
頭と両肩、背中までを、衝撃と自重で崩れたケーキまみれにしては立ち尽くす。
・・・沈黙数秒。
「これは、美味しく戴いても構わないという暗示ですか?」
「ば、馬鹿っ旦那!」
地面から立ち上がったジェイドの言葉を諌めるガイの声。
だがそれは、の怒りの引き金を引き絞るには十分だった。
「フッ・・・・・・・・・くらえェッ!!!!!」
ブ ン びちゃっ
「うわあぁ! 、馬鹿!ケーキを投げるな!!」
「わぶっ! お、落ち着け―わぁぁぁ!!!」
・・・後に、阿鼻叫喚が広がるのだった。
甘ったるい匂いが広がるその場所に、残されたイチゴのデコレーション。
その上に乗せられているクッキーの板には、ほんの一文が書き残されていた。
『 Happy Birthday!』
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2007/11/20
フライング誕生祝い。
ぴりっとぱれっと ぽぽれはぷかろん♪
ケーキが降ってくるっていうと『fanfan工房』を思い出します。
美味しく戴かれるわけにはいきませんが、たまにはそんなニュアンスも。
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