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突発復活夢 -- inイタリア -- 






私は今、女装をしている。

あいすまん。誤解を生みそうだ。
私は『女』ですが、正しくはこの体、男の子なはずなんです。
「はず」というだけあって、この体は今女の子になってるんだけどね。
普段は男の子の格好をしているんですけど、たまーに たまーに こうやって女の子の服を着させてもらっている。
この体の持ち主には悪いんだけど、とっても気楽です。


気楽さが生んだのだろうか、この災いは。


右を向いてもぺらぺーら。
左を向いてもぺらぺーら。
街中の片隅に立つ私の周りを通り過ぎる人の言葉がわかりません。
何たる事態だ。どうしろってんだ。
…また、飛ばされているみたいです。
でも、体は綱吉君のものだから、世界は飛んでないんだろう。

どうしろってんだ。

「…………あっれーアンタ、なんでこんなとこにいんの?」

「はい?」

馴れ馴れしい声に振り返ると、そこには金髪の少年が立っていた。
長い前髪で目元をすっぽりと隠していて人相ははっきりわからないけど、口元を笑みの形に歪めているのが印象的だ。
ついでに、よく見て気づいた、頭に乗せられているティアラも特徴的。
日本の渋谷でも滅多に見ないよ、このファッションアイテム。

「しかも何そのカッコ?」

私が彼を検分している間も、馴れ馴れしさは変わらない。
ピンときたよー。綱吉君の知り合いか?

「…どちら様でしょうか?」

綱吉君が女装しているなんて知られたら事なので、しらばっくれることに。
すると彼は少しだけ首を傾げて見せた。

「しししっ 王子を騙すつもり?」

…おう、じ…? あー…もしかして、ティアラじゃなくて王冠のつもりかな。
少年の言葉に彼の被り物の認識を修正しつつ、私はすぐに首を横に振る。

「いえ、そんなつもりはありません。けど正直日本語が通じて助かります。
 不躾ですが、日本大使館がどこか教えてもらえませんか?」

彼が綱吉君を知っていようとも、私が彼を知らない事実は変わらないので平然と私は問いを続ける。
私のそんな様子に、彼の口の端が若干下げられた。
そうそう、その違和感を信じて綱吉君だという疑いを払拭しておくれ〜

「在イタリア日本大使館?」

在『イタリア』!? ここはイタリアか!!

「はい。」
「それならボルゲーゼ公園の近く。」
「はぁ。」

ボルゲーゼ公園ってどこよ。

「ノメンターナ通りをバチカン側に進めばあるね。」
「…すみません、質問を追加します。
 ここはどこなのかと、そこまではどのくらいかかりますか?」

私のその質問を聞いて、彼はニヤリと笑みを深めた。

「迷子?」
「はい、迷子です。」
「ふーん……………ま、警官でも捕まえればなんとかなるし。
 女でよかったなアンタ。」

台詞にあった間が気になるけど、まぁツッこむまい。
女でラッキーっていうのはここがイタリアだからだろう。

「王子が暇だったら連れてってやるんだけどねー。残念残念。」
「いえ、こうやって教えて頂いただけで十分です。
 行きずりの自分にそこまでしてもらって、有難うございます。」
「なぁアンタ。」
「はい?」

一礼をしてこの場を去ろうとした私に投げかけられた言葉に振り返ると、いつの間にかすっごい近くまで寄ってきていた少年がそこにいた。
あまりの近さに思わず体を後ろに反らすが、満足な距離を離れる前に両腕が彼に掴まれそれは叶わない。
なんだなんだ!

「ちょっと、オレんとこまで来ない?」
「…はい?」

なんで。

「…私はお知り合いさんとは違いますよ?」
「関係ないね。」

なら、私を誘うという意味も無いだろう。
掴まれている腕をなんとか離そうと体を捻ろうとするが、まったくといいほどびくともしない。
線の細そうな体つきの癖に意外とこの子は強いみたいだ。

「嬉しいお誘いですが…私急いでるの。
 だからごめんなさい。行けないです。」
「関係ないね。」
「いえいえ、配慮してやってください。
 そもそも私なんかに何の用なんですか?」

私のその質問に、少年の笑みが深まった。

「アンタに似てるヤツがいるんだけどさ。」
「……はあ。」

この人が思わず本人だと確信しちゃうぐらいなんだから、それは綱吉くんなんだろうが。
まぁそれを告げる気にはならない。
しかし…なんか、嫌な予感。

「うちのボスがそいつ殺したがってんだよねー?」



ははははは。
代わりに(本人だけど)殺されろってか?



「…比喩表現?」
「マジ話。」
「それで頷くと思ってるんですか。」
「今更―」

少年の顔が更に近付けられる。

「アンタに決定権があると思ってんの?」



「じゃっかぁしぃわ!!」

  ― ゴヅッ !!

首の動きだけで狙った頭突きは見事少年の顔面に入る。
きっと鼻に直撃したんだろう。彼は思わず私を掴んでいた手を離して、顔を抑えていた。

「っ にゃろう」
「下手に出てりゃいい気になって!阿呆言ってんじゃねーよ!
 ありがとうございましたさようなら!!」

怒鳴って私は踵を返し、人混みに向かって全速力で走り出す。
背中に届いた少年の苛立ち混じりの、どこか楽しそうな声は無視だ。

なんで「ボス」とやらの憂さ晴らしに殺されなきゃならんのだ!
綱吉君に対する殺意なのか何なのか知らないけど、知ったこっちゃない!

ああもう、神様仏様リボーンくん!!

ちょっとこの展開はないと思わない!?















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(2010/03/26〜11/17)
復活憑依主人公さん、イタリアにプチトリップ。


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